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手足口病の再感染はなぜ起こる？
手足口病は、一度かかっても再び感染する可能性がある病気として知られています。この「再感染」という現象は、多くの保護者にとって疑問や不安の種となることでしょう。なぜ一度免疫ができたはずなのに、再び手足口病にかかってしまうのでしょうか。その理由は、手足口病が単一のウイルスによって引き起こされる病気ではない、という点にあります。手足口病の原因となるウイルスは、エンテロウイルス属に属する複数の型が存在します。代表的なものとしては、コクサッキーウイルスA群（CAV16、CAV6など）やエンテロウイルス71型（EV71）が挙げられます。これらのウイルスは、それぞれ遺伝子情報が異なり、人間の体内で異なる免疫反応を引き起こします。例えば、ある子どもが今年の夏にコクサッキーウイルスA16型に感染して手足口病にかかったとします。この時、子どもの体の中ではCAV16に対する抗体が作られ、CAV16に対しては免疫が獲得されます。しかし、翌年にエンテロウイルス71型が流行した場合、CAV16に対する免疫はEV71には有効ではありません。そのため、子どもはEV71に感染し、再び手足口病の症状を発症することになるのです。このように、異なる型のウイルスに次々と感染することで、手足口病は繰り返し発症する可能性があります。特に、乳幼児期は免疫システムがまだ未熟であるため、様々な型のウイルスに感染する機会が多く、生涯に数回手足口病にかかることも珍しくありません。また、同じ型のウイルスであっても、時間の経過とともに免疫力が低下する可能性も考えられますが、一般的には一度獲得した同型ウイルスに対する免疫は比較的長く持続するとされています。しかし、型の異なるウイルスが原因で再感染するケースが圧倒的に多いため、手足口病の再感染は、主に「原因となるウイルスの型の多様性」に起因すると理解するのが適切です。再感染を避けるためには、日頃からの予防策を徹底することが最も重要です。