美容クリニックの世界

僕がヒゲ脱毛を始めたのは、社会人３年目のことでした。毎朝の髭剃りが本当に苦痛で、時間をかけても夕方には青髭が浮き出てしまい、常に寝不足のような疲れた顔に見えるのがコンプレックスでした。カミソリ負けで口周りはいつも赤く、清潔感とは程遠い自分に嫌気がさしていたのです。高額な費用に悩みましたが、この先の人生、ずっとこの悩みを抱え続けることを思えば、安い投資かもしれないと意を決してクリニックの門を叩きました。施術の痛みは、正直に言って想像以上でした。特に鼻の下は涙が出るほどの痛みで、毎回「もうやめようか」と心が折れそうになったのを覚えています。しかし、１回目の施術から２週間ほど経った頃、洗顔中にヒゲがポロポロと抜け落ちてきた時の感動は今でも忘れられません。目に見える効果が、痛みを乗り越えるモチベーションになりました。２ヶ月に一度のペースで通い続け、５回目が終わる頃には、僕の生活は劇的に変化していました。まず、朝の時間が圧倒的に楽になりました。これまで髭剃りに費やしていた１０分間がまるまる浮いたのです。その時間でゆっくりコーヒーを飲んだり、ニュースをチェックしたりと、心に余裕を持って一日を始められるようになりました。そして何より嬉しかったのは、肌質の改善です。カミソリによるダメージがなくなり、長年悩まされてきた赤みやニキビが嘘のようになくなりました。肌が綺麗になったことで、自分に自信が持てるようになったのです。以前は人と話す時も、無意識に相手の視線を気にしていましたが、今では堂々と顔を上げて話せるようになりました。この内面的な変化は、仕事のパフォーマンスにも良い影響を与えました。清潔感のある見た目は、取引先からの印象も良く、自信に満ちた態度はプレゼンテーションにも説得力をもたらしてくれたように感じます。現在は１０回のコースを終え、数ヶ月に一度、気になる産毛を処理する程度で済んでいます。旅行の際にシェーバーを持っていく必要もありません。ヒゲ脱毛は、僕にとって単にヒゲをなくすためのものではありませんでした。それは、時間と自信と健やかな肌という、何物にも代えがたい価値を与えてくれた、人生を好転させるための最高の自己投資だったと断言できます。