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手足口病の潜伏期間と免疫反応?知っておきたいこと
手足口病は感染力が強く、特に乳幼児の間で広がりやすい病気です。この病気のウイルスが体内に侵入してから症状が現れるまでの「潜伏期間」と、その期間中に体内で起こる「免疫反応」について理解することは、感染拡大を防ぎ、適切な対処をする上で非常に重要です。手足口病の主な原因ウイルス(コクサッキーウイルスやエンテロウイルス71型など)に感染すると、通常、約3日から5日間の潜伏期間があります。この期間中、感染者はまだ症状を示さないため、見た目には健康なように見えます。しかし、ウイルスはすでに体内で増殖を始めており、この潜伏期間中から他者への感染力を持つ可能性があります。特に、唾液や鼻水、便の中にウイルスが排出され始めるため、感染源となり得るのです。潜伏期間中、体内の免疫システムはウイルスと戦い始めています。ウイルスが細胞に侵入すると、免疫細胞はこれを異物として認識し、排除しようとします。初期段階では、自然免疫と呼ばれる非特異的な免疫反応が働き、ウイルス増殖を抑えようとします。その後、より特異的な適応免疫が活性化され、ウイルスに対する抗体産生細胞やウイルス感染細胞を破壊するキラーT細胞などが作られ始めます。潜伏期間を過ぎて症状が現れる頃には、これらの免疫反応が本格化し、体はウイルスとの戦いの最中にあります。発熱や喉の痛み、手足口の発疹といった症状は、ウイルスが増殖する一方で、体がウイルスを排除しようとする免疫反応の結果として現れるものです。例えば、口の中の潰瘍は、ウイルスに感染した細胞が免疫システムによって破壊される過程で生じると考えられます。症状がピークを迎え、その後徐々に回復していく過程で、感染した特定のウイルス型に対する抗体が体内で十分に産生され、免疫が確立されます。つまり、手足口病の症状が治まる頃には、そのウイルス型に対する免疫が体内に備わっている状態になっていると考えられます。この免疫は、同じ型のウイルスに対する再感染を防ぐ役割を果たします。