手足口病の原因ウイルスは多種多様ですが、中でも「エンテロウイルス71型(EV71)」は、その免疫の特性と潜在的なリスクにおいて、特に注目すべきウイルスです。EV71による手足口病は、一般的なコクサッキーウイルスによるものと比較して、より重篤な合併症を引き起こす可能性があり、その免疫獲得の意義も深いです。EV71に感染すると、他の手足口病ウイルスと同様に、発熱、手足や口の発疹といった典型的な症状が現れます。しかし、EV71の大きな特徴は、ごく稀にですが、髄膜炎、脳炎、急性弛緩性麻痺といった神経系の合併症を引き起こす可能性がある点です。これらの合併症は、特に乳幼児において重症化しやすく、生命に関わることもあるため、EV71の流行期には特に警戒が必要とされます。EV71に感染し、手足口病を発症すると、その個体はEV71に対する免疫を獲得します。この免疫は、一般的には比較的長く持続すると考えられており、一度EV71にかかれば、その後のEV71による再感染のリスクは大幅に低下します。これは、重症化しやすいEV71に対する免疫獲得の大きなメリットと言えます。しかし、手足口病はEV71以外のウイルス(例:コクサッキーウイルスA16型、A6型など)によっても引き起こされるため、EV71に対する免疫があっても、これらの異なる型のウイルスに感染すれば、再び手足口病を発症する可能性があります。したがって、「EV71にかかったからもう手足口病にはならない」と考えるのは誤りです。あくまでEV71型のウイルスに対してのみ免疫ができた、と理解することが重要です。EV71による重症化のリスクが高いことから、特に乳幼児が集団生活を送る保育園や幼稚園では、EV71が流行する際には厳重な注意が必要です。症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診し、医師の診断を受けることが大切です。
エンテロウイルス71型と手足口病!免疫とリスク